ADVANTAGE 01 導入の効果
- VD-CRは、クリーンルーム内壁面近傍に特殊吹出口を設置し、天井面に吹出口を設けない乱流型クリーンルームシステムです(図1参照)。一般的な直吹空調方式とほぼ同等のコスト・フレキシビリティでありながら、天井内ダクト・HEPA吹出方式に近い清浄度・温度分布が得られます。
- 特殊吹出口(図2)から供給される清浄空気は、コアンダ効果*により天井下(天井面)にあたかもダクトが設置されているかのように遠方まで運ばれます。
- 直吹空調方式と違い、吹出方向に生産装置があっても装置の裏側まで気流が回り込みやすく、クリーンルーム内の一様な清浄度・温度分布が実現できます。
- 従来の天井内ダクト・HEPA吹出方式では、天井内ダクト工事・保温工事などが必要でしたが、VD-CRは天井内工事がないので「低コスト」「短工期」であるだけでなく、生産ラインの配置変更に追従しやすい「フレキシビリティ」にも優れています。
- 導入効果として、従来の天井内ダクト方式に比べ、工事費ならびに工期が大幅に削減されます。またダクト素材が減ることによる環境負荷低減にも寄与します。
- * コアンダ効果とは、流れの中に物体を置いたときにその物体に沿って流れの向きが変わる流体の性質のこと。
ADVANTAGE 02 気流解析結果
通常の直吹空調方式を利用した場合の風速分布・温度分布13m(W)×26m(L)×3m(H)クリーンルームの解析例(断面図)。左が吹出口。
部屋の途中までしか気流(矢印のベクトル)が到達しておらず、冷気によって気流が下降している。
したがって、部屋の奥では上昇気流となり、温度分布・清浄度分布ともにムラが生じる。
ADVANTAGE 03 各種方式別温度分布比較
- 図は、床面から1m高さでの温度分布平面図。
上段の従来天井内ダクト方式より、中段の直吹空調方式の温度分布は悪くなっているが、下段のバーチャルダクト・クリーンルームシステム®ではムラのない均一な温度分布となっている(天井内ダクト方式と同等以上の分布)。